[事例]遺族基礎年金と寡婦年金

Q 夫(50歳)が亡くなりました。家族は私とすでに独立した長女、長男(大学3年)、次男(中学1年)です。自営業で夫婦ともに国民年金に26年間加入していますが、ここ2年間は経済的に苦しく保険料の全額免除申請をし、保険料を払っていません。遺族年金は受けられないのでしょうか。

A 遺族基礎年金は、国民年金の加入者や老齢基礎年金の受給権のある人が死亡した場合、死亡した人に生計維持されていた「子のある配偶者(夫あるいは妻)」または「子」に支給されます。
 *かつては「子のある妻または子」でしたが、2014年度改正により「子のある配偶者または子」となりました。
 ただし、子は18才未満(18歳に到達した年度の末日・3月31日まで)、または20才未満で1級・2級の障害の子に限られます。あなたの夫は加入中の死亡で、中学生の子がいるので該当します。
 加入中の死亡の場合、死亡日の前に被保険者期間の1/3以上の保険料未納が無い、もしくは死亡した月の前々月までの1年間に未納がなければ支給されます。
 最近の2年間は全額免除ということなので、遺族基礎年金を受給できるでしょう。全額免除は保険料を払っていなくとも「未納」ではないからです。
 年金額は、基本額779,300円と子1人分の加算額224,300円の合計で約100万円ほどとなり、次男の高校卒業時まで(障害に該当する場合は20才になるまで)支給されます。その後は遺族基礎年金の受給権はなくなりますが、あなたが60歳になれば寡婦年金を受給できるでしょう。
 寡婦年金とは、国民年金第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間も含まれる)が25年以上ある夫が死亡した時、10年以上婚姻関係のあった妻に対して、(夫に障害基礎年金の受給権がなければ)60才から65才になるまでの間支給されます。金額は、夫が受けるはずであった老齢基礎年金の3/4となります。
 市区町村の窓口または年金事務所で確認し、60才になった時に忘れずに請求しましょう。