奨学金を利用する

奨学金とは進学を希望する学生が、家庭の経済的理由で進学をあきらめることのないように、公的な機関 (国や地方自治体)や民間団体が進学に必要な金額の一部、もしくは全額を支援する制度のことです。奨学金は返済が不要の給与型と、返済が必要な貸与型の2種類に大別され (一定の条件をクリアすると返済が免除される貸与&給与型もあります )、さらに貸与型には返済金に利息が付かないものと、利息が付くものがあります。
金融機関が取り扱う「教育ローン」や地域の社会福祉協議会が窓口となる「生活福祉資金(入学時に必要な費用のための就学支度費と月々の奨学金に相当する教育支援費の2種類)」も奨学金の一形態と言えますが、世界的には奨学金とは返済義務のない給与型奨学金のみを指すのに対し、日本における奨学金はほぼ全てが貸与型です。つまり、借りた全額を将来的に返済 (返還)することを前提に奨学制度を利用することが重要です。

[ワンポイント]日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構 (JASSO)は2004年に日本育英会などの5つの法人が合併して設立されました。貸付の対象は大学・大学院・短大・高専・専門学校生であり、2016年度は132万人に対して 1兆944億円が貸し出されており、実に大学生の2.6人に1人 (38.5%)が奨学金を利用しています。無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金 (上限は3%)に加え、日本の大学に在籍しながら海外の大学に留学する場合の支援制度もあります (月額6~10万円、留学先の地域等により決定、8日以上1年以内、返済義務なし。貸与もあり)。
また、2018年度からは給付型奨学金が本格導入されます (主に低所得世帯の大学生が対象、月2万~4万円を給付、1学年あたり2万人程度を想定し、財源は200億円程度を見込む。2017年度は、一部対象者に先行実施された)。
一方、返済滞納者や連帯保証人に対する訴訟も社会問題化しており、貸与型奨学金は「教育ローン」であるとの側面も留意すべきです (「申請主義」ではあるものの、返還免除等の救済措置もあります)。