[HP] こんな相談~国籍の回復

Q. かつて韓国籍でしたが、幼少のときに家族で『帰化申請』 をして日本国籍を取得しました。しかし、このたび同胞男性と結婚することになりました。これを機に、韓国籍を取得したいと思うのですが、可能でしょうか?

A. このような相談も珍しくはありません。様々な事情で日本国籍を取得した同胞たちのなかにも、民族意識を大事にし、また同胞との婚姻を望む人たちも少なくないようです。
 韓国籍の取得はできます。取得といっても、いわゆる韓国への「帰化」ではなく、かつては韓国籍だったわけですから「国籍回復による取得」ということになります。
 韓国国籍法第9条(国籍回復による国籍取得)の第1項は「大韓民国の国民であった外国人は、法務部長官の国籍回復許可を受けて大韓民国の国籍を取得することができる。」と規定しています。
 この規定は、「帰化」による国籍取得とは異なり、一定の期間、韓国国内に居住しなければならないという居住要件がありません。ですから、この相談事例のように日本国籍を取得した在日同胞の場合、駐日韓国領事館を通して申請をし、韓国法務部長官の許可により以前の韓国国籍を取得することができます(但し、次の1つにでも該当する場合は許可されません)。
1.国家又は社会に危害を及ぼした事実がある者 2.品行が端正でない者 3.兵役を忌避する目的で大韓民国の国籍を喪失し、又は離脱した者4.国家安全保障・秩序維持又は公共福利のために法務部長官が国籍回復を許可することが不適当であると認める者、韓国国籍法第9条2項)
 韓国国籍の回復の手続きは最寄りの駐日韓国総領事館をとおして、韓国法務部の書類審査を受けることになります。その際に必要なものは日本国籍を取得する前の除籍謄本や家族関係証明書等、または日本の住民票、日本国籍を取得した原因および年月日を証明する書類(帰化した記載のある日本戸籍謄本)、身元陳述書などです。
 国籍の回復の許可の結果が出るまで1年ほどかかるとのことです。また、回復の許可がおり、韓国国籍を再取得した日から1年以内日本国籍を離脱しなければなりません。