[HP] 朝鮮籍夫婦の協議離婚 / 家庭裁判所の調停について / 養育費について

朝鮮籍夫婦の協議離婚

本国が南北に分断しているため、在日同胞の本国法をどのように考えるのかについてはいろんな考え方があります。ここでは、夫婦の共通の本国法が朝鮮民主主義人民共和国(以下共和国)の法であることを前提として解説します。
朝鮮籍夫婦の離婚については、共和国の家族法が適用されます。共和国の家族法では裁判離婚だけを認めているため(共和国家族法第20条2項)、協議離婚で離婚ができるのかが問題となります。理屈から言えば、裁判離婚しかできないというのが有力な考え方です。
しかし、日本の役場では、当事者がとくに「韓国人ではない」と言わない限り、在日同胞の本国法を韓国法として処理することが多く、朝鮮籍同士の夫婦の離婚届けは受理されているのが実情です。
ただし、この場合、共和国家族法上は有効な離婚とは言えないので、後になって離婚の効力を否定されることのないよう、日本の家庭裁判所で離婚の審判を出してもらうことをおすすめします。

家庭裁判所の調停について

夫婦間で離婚についての話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。夫婦の一方が行方不明で調停をできない等の特段の事情がない限り、いきなり離婚裁判を起こすことはできません。
夫婦間に未成年の子がいる場合は、離婚調停の中で、離婚後の子の親権者を誰とするかについても、話し合う必要があります。また、親権者とならない親と子の面会、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料等についても、一緒に話し合うことができます。
一方、円満な夫婦関係を回復するための話合いをしたい場合には、夫婦関係調整調停(円満調停)を申し立てることもできます。円満調停では、夫婦関係が円満でなくなった原因や、夫婦関係の改善策等について、話し合うことができます。
いずれの調停であっても、離婚をした方が良いか迷っている人も利用することができますし、調停での話合いが不要となった場合には、いつでも調停を取り下げることができます。この場合、相手方の同意は要りません。
調停は、申立書を裁判所に提出して申し立てます。申立書の書式は、記入例も含めて裁判所のHPに掲載されているので、参考にしてください。なお、申立書の写しは相手方に送付されますので、相手方に知られたくない情報や不必要な対立を引き起こす内容を記載していないか、慎重に検討してください。
申立てをする裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所か夫婦が合意で決めた家庭裁判所です。
申立てには、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手を準備する必要があります。
調停は、自分で申し立てることもできますし、弁護士に依頼して申し立てることもできます。弁護士費用は、弁護士によって異なりますが、一定の条件を満たせば、法テラスによる弁護士費用の立替制度を利用することもできまるので、センターにご相談ください。
調停は、民間から選ばれた調停委員(男女各1名)が、夫婦双方に、事情や意向を尋ねたり、助言をするなどして、進められます。調停では、夫婦が交互に調停室に入り、調停委員と話をしますので、夫婦が直接話したり、同席することは基本的にありません。調査官という裁判所職員が入り、当事者の意向や子の監護状況等を確認することもあります。
離婚調停が成立した場合であっても、調停成立後10日以内に、市区町村役場に離婚の届出をする必要があります。
離婚調停が不成立になった場合は、離婚を求める人が、離婚裁判を起こすことになります。

養育費について

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