センターに寄せられる相談の中で離婚や別居に関する相談も少なくありません。
小さい子がいる場合は、妻(あるいは夫)のもとにいる子と会いたいが会わせてもらえない。どうしたらよいかという相談もあります。離婚をすることで夫婦ともに合意はしていても子を夫(あるいは妻)に「会わせる」・「会わせない」でもめることも多いようです。
最近では、離婚調停の場で子の面会交流の取り決めをすることが多く、子の親権者となる親が一方的に子との面会交流を制限することはできないようになっています。11月18日付の東京新聞に掲載された記事を紹介します。参考になさってください。http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/nayaminokobeya/CK2017111802000183.html
Q妻と小学校3年の9歳の息子がいます。妻とは口論が絶えず、妻は2カ月ほど前に息子を連れて家を出ました。
近く離婚の調停を申し立てるそうです。妻は私に息子を会わせないと言っています。私は離婚と、妻を親権者とすることは認めようと思っていますが、息子と会えなくなることは耐えられません。妻が拒めば、息子と会えないのでしょうか。(東京・会社員 37歳)
◆親権者でも一方的拒絶不可
A 妻が親権者となるとしても、あなたと息子さんとの面会交流を一方的に拒絶できるわけではありません。
子への虐待など子の福祉に反するような特別な事情がある場合は面会交流が認められない場合もあります。
しかしそのような事情がない場合は「子の利益を最も優先して」面会を考慮しなければなりません(民法七六六条)。
あなたと息子さんが良好な関係にあるならば、離婚後も交流は尊重されるべきです。
妻が離婚調停を申し立てた場合には、調停の場で親権者の決定や面会交流について話し合うことになるでしょう。
面会交流の条件については、面会の頻度、曜日や時間帯、子の引き渡し方法(例えば母親の家で子の引き受けと引き渡しをする)などを決めます。
もっとも面会交流は子の福祉のために実施されるので、子の負担とならないよう配慮が必要です。面会を求める親への子どもの気持ち、子の体調や課外活動などの都合を考慮して、その都度、面会日や時間帯を決める方法もあるかもしれません。また日中の面会ではじっくりと親子の時間を過ごせないこともあるため、夏休みや年末年始など長期の休みに宿泊を伴う面会を設けることもあります。その他、学校行事の見学や参加についても条件に入れることもあります。
面会交流の条件については息子さんの家庭や学校での生活に応じて具体的に提案してはどうでしょうか。
もしも、調停で面会交流の条件が調わない場合には裁判所が面会の可否や条件を判断する審判手続きに移ります。解決が難しい時は弁護士に相談することをお勧めします。