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 在日コリアンの日常生活において提起される国籍、在留資格、相続、福祉等の諸問題を解決するための解説集です。センターによくある質問・相談の事例なども掲載しております。
社会保障~~年金 あれこれ 
解説:年金の受給資格期間の短縮とカラ期間
 2012年、「社会保障と税の一体改革」として、年金関連法が国会で計4法成立(年金機能強化法)、年金制度が大きく改正されました。これは在日同胞にも大きな影響がある内容になっています。

 この改正の中で特に重要なものは、来年度より受給資格期間が25年から10年に大幅に短縮されることです。
 受給資格期間とは、老齢年金を受給するために最低限保険料を納めておかなければいけない期間のことをいいます。
 原則的に、20歳から60歳の間に25年以上(生年月日等により短縮される特例有)保険料を納めることで、65歳(厚生年金に1年以上加入している場合、生年月日により60~65歳)から老齢年金が支給されますが、この受給資格期間の25年には、「保険料納付済期間」だけでなく、保険料の免除を申請した「免除期間」も含まれます。
それでも25年を満たせない人は、「カラ期間」を合算することができます。
 制度改正により、受給資格期間が25年から10年に短縮されるので、「カラ期間」をあわせると多くの在日同胞高齢者が老齢年金の受給対象者になることが想定されます。

 では、「カラ期間」とはなんでしょうか。
 現在の年金制度では、日本に住所がある20歳以上60歳未満の方は在日外国人含めすべて年金制度の強制加入対象者ですが、かつて年金制度から国籍要件で排除されていた期間や、被用者の配偶者や学生など加入が任意とされていた期間がある人がいます。その期間は、保険料を払っていなくても受給資格期間に算入できる期間として扱われます。これを「合算対象期間=カラ期間」といいます。
 
国籍条項により、在日同胞が制度から排除されていた期間は長いので、永住資格をもつ在日外国人に適用されるカラ期間は、1962年1月1日以前生まれであれば、生年月日により最低でも1か月、最大で20年9か月になります。
 永住外国人のカラ期間以外にも、厚生年金/旧共済年金加入者の配偶者のカラ期間や、学生だった期間のカラ期間などがあります。

具体的には、
A:特別永住者・永住者の1961年4月~1981年12月の期間
B:厚生年金/旧共済年金加入者の配偶者の1961年4月~1986年3月の期間
C:日本の大学・短大等の学生であった1982年1月~1991年3月の期間 で、本人が20歳以上~60歳未満の期間がカラ期間となります。 
 
このカラ期間は、ねんきん定期便にも反映されていないので、実はすでに年金受給対象者でありながら、それを知らず年金を受給していない同胞も相当数にのぼると想定されます。また受給資格期間が10年になれば、このカラ期間を合わせると、現在年金を受給していない多くの同胞が、あらたに年金の受給対象者になることが想定されます。
 ほとんど保険料を払っていないからとあきらめず、今一度自身の年金記録を調べてみてください。



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